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低解約返戻金型終身保険のシミュレーション:払込期間による返戻率差

低解約返戻金型終身保険のシミュレーション:払込期間による返戻率差

低解約返戻金型終身保険のシミュレーションを、払込期間を変えることでどれくらい返戻率に差が出るのかを解説しています。

 

低解約返戻金型終身保険は売れ筋の保険の1つですが、メリット・デメリットを十分理解した上で契約すると貯蓄商品として適切な運用、またはさまざまな準備資金として活用できるようになります。

 

低解約返戻金型終身保険とは?

 

低解約返戻金型終身保険とは保険料の払込期間中の解約返戻率は低く、その直後から返戻率を上げて高い返戻率を約束しているタイプの終身保険です。

 

終身保険とはその名のとおり「身が終わるまで死亡保険が保障」されており、貯蓄性が高いタイプの保険の1つと考えられています。

 

低解約返戻金型終身保険は保険料の払込期間中の解約返戻率を下げることで、一般的な終身保険よりも保険料が割安になっており、かつ「払い込み満了まで長く契約をしていただいた後には手厚い返戻率でお返しする」といった性質の生命保険なのです。

 

 

低解約返戻金型終身保険を払い込み年齢を変えてシミュレーション

 

では低解約返戻金型終身保険の醍醐味である返戻率の良さをたっぷりご覧いただきます。

 

【保険料の払い込み満了年齢時】と、【①~④それぞれの満了直後】の返戻率 (色部分)にご注目下さい。

 

払込満了時の年齢では①~④とも70%前後の返戻率になっていますが、払い込み満了直後の年齢では100%前後の返戻率へと延びているのをご確認いただけるでしょう。

 

40歳男性が月払い5万円程度の低解約払戻金型終身保険に加入する場合

※飽くまで一例

 

単位:%

保険料払込

満了年齢⇒


①50歳


②55歳


③60歳


④65歳

41歳

55.9

51.9

47.7

43.2

45歳

66.3

67.1

67.7

67.8

50歳

68.9

70.1

71.3

71.8

51歳

99 .0

55歳

101.3

71.6

72.6

73.0

56歳

-

102.8

-

60歳

104.2

105.2

74.1

74.3

61歳

-

106.5

-

65歳

107.2

108.2

108.9

75.9

66歳

-

109.0

80歳

115.7

116.8

117.6

117.1

100歳

122.5

123.7

124.5

124.0

月々保険料

50,138円

50,266円

50,408円

50,483円

満了時までの

総額保険料

6,048,980円

9,024,840円

12,063,840円

15,144,900円

 

返戻率を良くするためには低解約返戻金終身保険の払込満了時を何歳に設定すればいい?

 

「返戻率を良くする」といった目的だけを追求するにも、次のとおり考え方次第です。

  • 払込満了直後の返戻率を重視したい場合:④65歳払い込み満了
  • 80歳くらいの長期的な返戻率を重視したい場合:③60歳払い込み満了

 

①~④の保険料はほぼ同額の5万円、払込期間は下の表のとおり10年間から25年間と開きがあり、満了時まで払い込む総額の保険料も異なっています。

 

40歳の男性の低解約返戻金型終身保険の払込満了年齢と保険料払込期間の設定

払込満了年齢⇒

①50歳

②55歳

③60歳

④65歳

保険期間

10年

15年

20年

25年

 

単純に言えば長く保険契約を継続するほど、そして払込期間も長い方(※1)が返戻率は上がると言えそうですが、次のように例外的に取り扱う点もあります。

 

【③60歳払い込み満了】と【④65歳払い込み満了】の設計では④の方が払込期間が長いですが、80歳、100歳と返戻率を比べると③のほうが返戻率が伸びています。

 

 

実際には低解約返戻金型終身保険の保険料をいつまで払い込むか?が当然優先されることが多く、返戻率のいいプランを選びたくても選択しかねるケースが多いはずです。

 

そして払い込み満了後に解約するか、死亡保障として残すか、その時の状況に合わせて決めるケースが多いので、いつのタイミングの返戻率を重視するかといった視点も、飽くまで考え方の一例でしかないのでしょう。

 

※1 実際にはそれぞれの年齢と性別で保険設計をしてみないと“払込期間が長い方が返戻率が上がる”とは言いきれないので、上のシミュレーションは飽くまで一例となります。
※2 月払い、半年払い、年払い、一括払い、前納などの保険料の払い方がございます。
上のシミュレーションは飽くまで一例で、年齢・性別・保険料の払い方(※2)・保険会社によって低解約返戻金型終身保険の返戻金は異なります。

 

 

低解約返戻金型終身保険の返戻率をもっと上げる方法

 

貯蓄保険商品は一度に多く支払うと保険料が割引になります。

 

例えば月払いの保険料を半年払いに、または年払いに。またはまとまった資金がある場合は一括払いにするなどすると、返戻率をもう少し上げられます。

 

といっても、保険料の払い方は「月払い」が圧倒的に多く、何もまとまって支払う方が必ずいい、だなんてことはありません

 

保険会社により保険料の払い方による解約返戻率には違いがあるので、保険のプロに相談される場合は払い方を変えるとどうかを聞くと良さそうですね。

 

 

低解約返戻金型終身保険のメリット・デメリット

 

低解約返戻金型終身保険のシミュレーションをご覧になって「保険期間中に解約してしまうのは損だ」とお分かり頂いたはずです。

 

しかし低解約返戻金型終身保険の性質を理解すれば、「そもそも契約期間中の返戻率は低くて満了後の返戻率が上がっていく保険商品」と考えられるようになるのではないでしょうか。

 

低解約返戻金型終身保険の性質をそのメリット・デメリットから簡潔にご紹介いたします。

 

メリット

  • 更新がないため、保険料が上がらない
  • 長期的貯蓄に向く(払込期間中の解約は払込保険料よりも少ないが、払込期間を過ぎると返戻率が上がる)
  • 一般的な終身保険よりも保険料が割安
  • 解約払戻金をさまざまなライフイベントの準備金として活用できる
  • 保険会社によって要介護状態の場合に保険金を前払いの形で給付する場合がある(後述)

 

 

デメリット

  • 払込満了時まで返戻金が少ない
  • 見直しの融通性が低い
  • 解約して現金化してしまえば保障が無くなってしまう

 

低解約返戻金型終身保険は払込満了まで契約を継続して初めてそのメリットが生かせる貯蓄保険ですので、将来にわたって「このくらいの保険料だったら大丈夫」といった見通しありきで契約すべきでしょう。

 

 

低解約返戻金型終身保険を税金対策として活用

 

低解約返戻金型終身保険は以下のように税金対策として活用できます。

 

所得税控除

  • 低解約返戻金型終身保険の保険料を支払うと、所得に応じての所得税控除が受けられる。
  • 所得税控除額を保険料払込期間で通算すると相当額になり、ほかの金融商品では得られないような税制上のメリットを活用できる。

 

雑所得

 

解約払い戻し金を受け取る場合は雑所得扱いとなります。

 

解約払戻金から保険料払込総額を差し引き、50万円超になっていなければ課税対象とはなりません。

 

一例として先の例として挙げたプラン③で、保険期間満了翌年に解約払戻金を雑所得として受けとる場合の税金計算してみましょう。

 

【プラン③の保険期間満了翌年の解約払戻金12853120円】-【プラン③の保険料総額12063840円】
=789280円

 

【789280-(一時所得の特別控除500000)】×1/2=【144640…課税対象額】

 

プラン③の場合は月額5万円の「ガッチリ保険で貯蓄」するようなプランですので、現実的に月5万円を貯蓄保険に拠出するケースは少ないでしょう。

 

保険商品で雑所得に課税されるケースはそれほど多くないような気がします。

 

 

相続対策

 

生命保険の死亡保障を遺族に残すのは相続対策として有効な手段となります。

 

現金や預貯金を遺族へ残すと相続税がかかりますが、生命保険の契約で代替えすると非課税枠が適用になるからです。

 

 

 

低解約返戻金型終身保険を疾病一時金や要介護保険として生存中に受け取る

 

日本は世界一長寿の国ですが、一方で長生きすることで医療費や要介護の際に必要なお金が増えるリスクが増えています。

 

このため「長生きのリスク」に備える保険として三大疾病一時金や要介護状態の際に給付される保障が低解約返戻金型終身保険に付加されるようになりました。

 

実際これらの保障はそれぞれの保険会社によって「生存給付特約(生きているうちに給付される保障)」として付加されるケースが多く、一例として以下をご紹介します。

 

低解約返戻金型終身保険の生存給付特約の一例

 

損保ジャパンの場合

 

■三大疾病保険料免除(特定疾病診断保険料免除特約)(特約の保険料は有料)

 

特約条件:三大疾病(※)に罹患した場合以後の保険料の払い込みが不要になる
※ガン、急性心筋梗塞、脳卒中

 

 

■介護一時金特約 (特約の保険料は無料)

 

特約の給付条件:公的介護保険制度で要介護1以上と認定された場合等、低解約返戻金型終身保険から一時金として給付

 

 

■介護前払特約 (特約の保険料は無料)

 

保険料払込満了後、65歳超かつ公的介護保険制度の要介護4・5と認定された場合に低解約返戻金型終身保険から前払いして給付

 

 

■年金移行特約 (特約の保険料は無料)

 

保険料払込満了後、低解約返戻金型終身保険を年金として生存中に受け取れるよう移行できる。
※年金受取へ移行しても個人年金控除の対象にはなりません

 

 

オリックスの場合

 

■介護前払い特約

 

保険料払込満了後、65歳超かつ公的介護保険制度の要介護4・5と認定された場合に低解約返戻金型終身保険から前払いして給付
※年金受取へ移行しても個人年金控除の対象にはなりません

 

 

これらの低解約返戻金型終身保険に付加される特約は一例です。

 

三大疾病や介護の状態になった場合の特約をご紹介しましたが、実際の保険金支払い条件は保険会社によって異なるので比較しながら検討されるのがよいでしょう。

 

 

まとめ:低解約返戻金型終身保険は保険商品を前提にたまりを期待する

 

低解約返戻金型終身保険の名前を見ただけで「なんだか難しそうだな」と思ってしまいまいがちですが、シンプルに「保険期間中の解約払戻率を低く抑えて満了後に手厚く返してもらえる保険」だったとお分かり頂いたと思います。

 

このため、低解約返戻金型終身保険は資金に余裕がある場合、または長期的な貯蓄商品として魅力を感じた場合に契約するのがおすすめです。

 

低解約払戻金型終身保険をすすめられるまま契約、あまりよくわからないで解約してしまって大損したと考える方もいらっしゃるかもしれません。上でご紹介した性質を理解した上で満了時の楽しみに期待できるといいですね。